2009年 6月29日
組み込みCPU対応コンパイラexeGCCの新バージョン「exeGCC Ver.4」を出荷開始
GCCを簡単インストールで開発環境のセットアップを簡略化
京都マイクロコンピュータ株式会社
京都マイクロコンピュータ株式会社(本社:京都府京都市、代表取締役社長:山本彰一)は、本日、組み込みCPU対応GCCコンパイラ「
exeGCC Ver.4」の出荷を開始したと発表しました。exeGCCは、一般のWindowsアプリケーションと同じインストーラーを用いて簡単にインストールできる、Windows上で動作する組み込みプロセッサ向けのクロスコンパイラです。以前のexeGCCはGCCのベースバージョンにVer.3.2.x系を使用していましたが、本バージョンからVer.4.3.xにアップデートすることにより、より多くのCPUに対応することが可能になりました。本バージョンでは、従来から対応しているARM、MIPS、SHのCPUに加え、新たにPowerPC、最新のARM v7アーキテクチャにも対応しました。動作環境は、OSはWindows XPおよびVista(32ビット環境のみ)、CPU/メモリは、OSの推奨する環境以上になります。なお、exeGCC Ver.4 は、各CPU別にパッケージ化されており、価格は、各148,000円(税込価格:155,400円)です。年間保守サービスをご契約いただいているお客様は、アップデートソフトウェアを弊社Webサイトよりダウンロードの上、ご利用いただけます。
従来、GCCを使うには、ソースからビルドをしたり、WindowsにUNIX互換環境などをセットアップする必要があり、利用準備が複雑でした。exeGCCでは、一般のウインドウズアプリケーションのようなインストーラーを用いて簡単にインストールが可能です。また新バージョンでは、統合開発環境Eclipseから呼び出すことにより、GUIで簡単に利用できます。このように、exeGCC Ver.4は、GCCでありながらWindowsとの親和性が非常に高くなっています。
また、exeGCC Ver.4には組み込み向けに構成されたC/C++ライブラリ、浮動小数点ライブラリなどが付属します。このライブラリは、生成コードがGPL/LGPLに該当しないもののみを利用し、ソースコードとともに提供するため、exeGCCを使って生成したソフトウェアは、GPLフリーになります。付属のソースコードの機能を改変したり、ビルドオプションを変更してライブラリを再構築することも可能です。さらに、PARTNER-Jetが提供するターゲット上で動作するソフトウェアからPARTNER-Jetを介してWindows上の資源にアクセスするVLINK機能を利用するためのライブラリ、そしてEclipse Plug-inも付属しています。これらライブラリには、全てのソースコードが提供されますが、ランタイムロイヤリティーなどの費用は発生しません。なお、exeGCCの売り上げの一部は、FSF (The Free Software Foundation: 代表 Richard M. Stallman) に寄付されます。
今後、弊社では、exeGCCの開発およびサポートを積極的に行い、コンパイラからデバッグ・性能解析までの統合された開発環境をご提供します。なお、exeGCCを使用した開発のヒントなどを弊社Webサイトより発信していく予定です。
京都マイクロコンピュータ株式会社について
京都マイクロコンピュータ株式会社
(www.kmckk.co.jp)は、1985年の設立以来、組み込み開発環境の充実と効率化をテーマに製品の開発を行ってきました。超高速JTAG ICEとデバッガソフトを組み合わせたPARTNER-Jetシリーズをはじめ、コンパイラなどの開発環境と評価ボード類を軸に、常に組み込み開発を支援する先進的な製品を提供しています。
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